「計画」と「立てる」。
それぞれの単語の意味は知っているのに、
どうして「計画を作る」ではなく「計画を立てる」なの?
と疑問に思ったことはありませんか?
日本語には、このように「この名詞には、この動詞を使う」という自然な組み合わせがたくさんあります。
そして、この感覚はJLPT N3〜N2の読解でも非常に重要です。
文章に出てくる単語を一つずつ訳せても、自然な「名詞+動詞」の組み合わせを知らないと、文全体の意味を素早くつかめなかったり、選択肢の微妙な違いで迷ったりします。
今回は、「計画を立てる」を入り口に、日本語でよく使われる名詞+動詞の組み合わせを見ていきましょう。
「計画を立てる」は、セットで覚えると強い
「計画」は英語なら plan に近い言葉です。
そのため、
「plan = 計画」
「make = 作る」
と考えて、
「計画を作る」
と言いたくなる学習者もいるでしょう。
しかし、一般的な日本語では、
「計画を立てる」
のほうが自然です。
例えば、
- 来年、日本へ旅行する計画を立てています。
- まず勉強の計画を立てましょう。
- 新しい事業の計画を立てる必要があります。
のように使います。
もちろん、「計画を作る」という表現が絶対に間違いというわけではありません。
実際に計画書や具体的なプランを作成する場面では使われることもあります。
しかし、これから何をするかを考えて決めるという一般的な意味では、「計画を立てる」が非常によく使われます。
ここで重要なのは、
「計画」の意味だけを覚えるのではなく、
「計画を立てる」
という一つのまとまりとして覚えることです。
日本語は「単語」だけではなく「組み合わせ」で覚える
このような、よく一緒に使われる自然な単語の組み合わせを「コロケーション」と呼ぶことがあります。
難しい言葉に見えますが、考え方は簡単です。
例えば、日本語では次のような組み合わせが自然です。
- 計画を立てる
- 目標を達成する
- 約束を守る
- 意見を述べる
- 結論を出す
- 責任を取る
- 影響を与える
- 注意を払う
名詞と動詞を別々に知っているだけでは十分ではありません。
「どの名詞と、どの動詞がよく一緒に使われるのか」
まで覚えると、日本語の理解が一気に速くなります。
JLPTの読解でなぜ重要なの?
JLPTの読解では、文章そのものだけではなく、選択肢にもさまざまな言い換えが使われます。
例えば、本文に、
会社は新しい海外進出の計画を立てた。
と書かれていたとします。
選択肢には、
- 会社は海外での活動を始める準備をした。
- 会社は海外事業の結果を発表した。
- 会社は海外進出を中止した。
- 会社は海外企業から提案を受けた。
のような文が出てくるかもしれません。
「計画を立てる」というまとまりをすぐ理解できれば、
「まだ実行したわけではなく、これからの方針を決めた段階だ」
と判断できます。
この感覚があると、選択肢をかなり絞りやすくなります。
反対に、「計画」「立てる」と一語ずつ頭の中で翻訳していると、読むスピードが落ち、選択肢の微妙な違いにも迷いやすくなります。
よく使う「名詞+動詞」を覚えよう
1. 目標を達成する
「目標」は「する」ではなく、一般的に「達成する」と一緒に使います。
- 今年の目標を達成した。
- 目標を達成するために毎日勉強しています。
「達成する」には、「目指していたところまで到達する」という意味があります。
そのため、
「目標を立てる」
↓
努力する
↓
「目標を達成する」
という流れで覚えると分かりやすいでしょう。
2. 約束を守る
日本語では、
「約束を守る」
と言います。
- 友達との約束を守る。
- 約束は必ず守ってください。
ここでの「守る」は、誰かを危険から守るという意味ではありません。
「決めたことを破らず、そのとおりにする」という意味です。
一つの動詞でも、一緒に使われる名詞によって意味が少し変わることに注意しましょう。
3. 結論を出す
考えたり話し合ったりした結果、最終的な判断を決めるときには、
「結論を出す」
をよく使います。
- まだ結論を出すのは早い。
- 話し合ってから結論を出しましょう。
JLPTの読解では、「筆者が最終的にどのような結論を出しているか」が問われることもあります。
覚えておきたい表現です。
4. 影響を与える
「影響」は「する」と組み合わせる場合もありますが、
「AがBに影響を与える」
という形も非常によく使われます。
- 睡眠不足は仕事に悪い影響を与える。
- インターネットは私たちの生活に大きな影響を与えた。
読解では、原因と結果を説明する文章によく登場します。
「AがBに影響を与える」
が出てきたら、
「AによってBが変化する」
という関係を意識しましょう。
5. 注意を払う
「払う」と聞くと、
「お金を払う」
を最初に思い浮かべる人が多いかもしれません。
しかし、
「注意を払う」
という表現もあります。
- 周囲の安全に注意を払ってください。
- 小さな変化にも注意を払う必要がある。
この「払う」は、お金とは関係ありません。
「意識を向ける」「気をつける」という意味です。
こうした表現こそ、単語を一つずつ訳すだけでは理解しにくい日本語です。
「動詞だけ」を暗記しないことがポイント
新しい動詞を見つけたとき、
「意味は何だろう?」
だけで終わらせていませんか?
例えば、「立てる」を覚えるなら、
「立てる = stand something up」
のような一つの意味だけで覚えるのはもったいありません。
実際には、
- 計画を立てる
- 目標を立てる
- 予定を立てる
- 仮説を立てる
- 作戦を立てる
のように使われます。
このように、「立てると一緒によく使われる名詞」をまとめて覚えると、読解でも作文でも使える知識になります。
読解力を上げる3つの覚え方
1. 名詞と動詞をセットでメモする
「計画」という単語を覚えるなら、
計画 = plan
だけではなく、
「計画を立てる」
まで一緒に記録しましょう。
さらに例文を一つ付けると効果的です。
夏休みの旅行の計画を立てています。
単語帳が「単語の一覧」から「実際に使える日本語の一覧」に変わります。
2. 動詞から仲間を増やす
一つの動詞を覚えたら、その動詞と組み合わせられる名詞を探します。
例えば「立てる」なら、
- 計画を立てる
- 目標を立てる
- 予定を立てる
- 方針を立てる
というように広げていきます。
一つずつ独立して覚えるより、関連付けて覚えたほうが記憶に残りやすくなります。
3. 読解では「まとまり」で読む
文章を読むときも、
「計画」+「を」+「立てる」
と細かく分解するのではなく、
「計画を立てる」
を一つのまとまりとして捉えてみてください。
慣れてくると、
「約束を守る」
「責任を取る」
「結論を出す」
といった表現も、一瞬で意味を取れるようになります。
この「まとまりで読む力」が、読解スピードを上げる大きなポイントです。
「意味は分かるのに正解できない」人ほど意識してほしい
JLPT N3〜N2になると、知らない単語を覚えるだけではなかなか点数が伸びなくなります。
特に読解では、
「単語は全部知っているのに、文章の意味がはっきり分からない」
「本文は理解したつもりなのに、二つの選択肢で迷う」
ということが増えてきます。
そんなときに見直したいのが、単語同士の自然なつながりです。
日本語を一語ずつ理解するのではなく、
「計画を立てる」
「目標を達成する」
「影響を与える」
のようなまとまりとして理解できるようになると、文章の処理速度も正確さも変わってきます。
まとめ:「自然な組み合わせ」を知ると読解が速くなる
「計画を立てる」が自然なのは、日本語で長く使われてきた定番の組み合わせだからです。
大切なのは、「どうして『立てる』なのだろう?」と毎回理屈だけで考えることではありません。
よく使われる表現は、まとまりとして覚えてしまいましょう。
- 計画を立てる
- 目標を達成する
- 約束を守る
- 結論を出す
- 影響を与える
- 注意を払う
こうした組み合わせが自然に頭に入るようになると、JLPTの文章を読むときにも、一語ずつ翻訳する必要が少なくなります。
そして、読解で本当に重要なのは「知っている」ことだけではありません。
短い時間で正確に意味を判断できることです。
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読解でいつも最後の二択に迷ってしまう人も、まずは実際の問題で自分の判断力を試してみてください。
JLPTで迷わない日本語を、実戦問題で身につけよう
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