「につれて」と「にしたがって」の違いは?比例変化の文型を見分ける

2026年06月13日(土) 07時10分29秒

更新: 2026年06月13日(土) 07時10分29秒

「につれて」と「にしたがって」の違いは?比例変化の文型を見分ける

JLPTの読解問題を解いていると、次のような文型がよく出てきます。

  • 気温が上がるにつれて、冷たい飲み物が売れるようになる。
  • 気温が上がるにしたがって、冷たい飲み物が売れるようになる。

どちらも自然な文に見えます。

「意味は分かるのに、違いがよく分からない」
「選択肢が二つまで絞れたのに、最後に間違えてしまう」

このように感じたことはありませんか。

「につれて」と「にしたがって」は、どちらも一つの変化に伴って、別の変化が起こることを表します。

しかし、いつでも自由に入れ替えられるわけではありません。

この記事では、二つの文型の共通点と違いを整理し、JLPTの読解や文法問題で迷わないための見分け方を紹介します。

まず押さえたい共通点:Aが変化すると、Bも変化する

「につれて」と「にしたがって」は、どちらも比例的な変化を表すときに使われます。

基本の形は、次のとおりです。

Aが変化するにつれて、Bも変化する。

Aが変化するにしたがって、Bも変化する。

ここで重要なのは、AとBが一度だけ起こる出来事ではないということです。

Aが少しずつ変化し、その変化に伴ってBも変化していきます。

例文

  • 年齢が上がるにつれて、健康に気をつけるようになった。
  • 日本語を勉強するにつれて、日本の文化にも興味を持つようになった。
  • 時代の変化にしたがって、働き方も多様になっている。
  • 利用者が増えるにしたがって、新しい問題も生まれてきた。

いずれの例文でも、Aの変化とBの変化が連動しています。

「につれて」:自然に起こる変化を表しやすい

「につれて」は、ある変化が進むと、それに伴って別の変化も自然に起こることを表します。

日常会話でもよく使われる文型です。

接続

  • 動詞の辞書形 + につれて
  • 名詞 + につれて

例文

  • 春が近づくにつれて、暖かい日が増えてきた。
  • 子どもが成長するにつれて、服のサイズも大きくなる。
  • 日本での生活に慣れるにつれて、友達も増えていった。
  • 時間がたつにつれて、緊張が少しずつ消えていった。

これらの文では、変化を誰かが意図的に起こしているわけではありません。

春が近づけば、自然に暖かくなります。
時間がたてば、自然に緊張が和らぐこともあります。

このような自然な変化の流れを表すとき、「につれて」がよく使われます。

「にしたがって」:変化の連動を客観的に表しやすい

「にしたがって」も、Aの変化に伴ってBが変化することを表します。

「につれて」よりも少し硬く、説明文、ニュース、レポート、論説文などでよく使われます。

接続

  • 動詞の辞書形 + にしたがって
  • 名詞 + にしたがって

例文

  • 人口が増加するにしたがって、住宅不足が深刻になった。
  • 技術が進歩するにしたがって、仕事の進め方も変わってきた。
  • 高齢化にしたがって、医療費も増加している。
  • 気温の上昇にしたがって、電力の使用量も増える傾向がある。

文章全体に、客観的で論理的な印象があります。

特に、統計、社会問題、経済、科学、制度の変化などを説明する文章では、「にしたがって」がよく登場します。

最大の違い:「にしたがって」には別の意味もある

JLPTで特に注意したいのは、「にしたがって」には比例変化以外の意味もあることです。

「にしたがって」は、「ルール、指示、方針、順序などに従う」という意味でも使われます。

例文

  • 先生の指示にしたがって、答えを書いてください。
  • マニュアルにしたがって、機械を操作してください。
  • 規則にしたがって、手続きを進めます。
  • 矢印にしたがって、出口まで進んでください。

この場合、「につれて」に置き換えることはできません。

先生の指示につれて、答えを書いてください。

この文は不自然です。

つまり、「にしたがって」を見つけたら、最初に次の点を確認しましょう。

  • Aの変化に伴ってBも変化しているのか
  • Aの指示、規則、方針、順序どおりに行動しているのか

この確認だけでも、読解の正確さが大きく上がります。

二つの文型を比べてみよう

例1:自然な変化

  • 暗くなるにつれて、気温も下がってきた。
  • 暗くなるにしたがって、気温も下がってきた。

どちらも使えます。

ただし、自然な変化を柔らかく表現する場合は、「につれて」のほうがなじみやすいでしょう。

例2:社会の変化

  • インターネットが普及するにつれて、買い物の方法も変わった。
  • インターネットが普及するにしたがって、買い物の方法も変わった。

どちらも使えます。

「にしたがって」を使うと、変化の関係をやや客観的に説明する印象になります。

例3:指示やルール

  • 説明書にしたがって、パスワードを設定してください。

この文では、「にしたがって」だけが使えます。

説明書は変化していません。
説明書に書かれた順序や方法を守って操作するという意味です。

JLPTで迷わないための3ステップ

試験中に「につれて」と「にしたがって」が出てきたら、次の順番で考えてみましょう。

ステップ1:Aは少しずつ変化しているか

Aが時間とともに変化している場合は、比例変化の可能性があります。

  • 年齢が上がる
  • 人口が増える
  • 技術が発達する
  • 気温が下がる
  • 日本語が上達する

この場合、「につれて」と「にしたがって」の両方が使えることがあります。

ステップ2:Aは指示やルールではないか

次のような言葉が前にある場合は、「にしたがって」が適切です。

  • 指示
  • 命令
  • 規則
  • 方針
  • 説明書
  • マニュアル
  • 手順
  • 矢印

たとえば、「規則にしたがって行動する」と言いますが、「規則につれて行動する」とは言いません。

ステップ3:文章の雰囲気を確認する

自然な変化や日常的な話題では、「につれて」が使われやすい傾向があります。

一方、ニュース、論説文、報告書のような客観的な文章では、「にしたがって」がよく使われます。

ただし、これは絶対的なルールではありません。

最後は、文の意味と文脈を確認することが大切です。

よくある間違い:一度だけ起こる出来事には使いにくい

「につれて」と「にしたがって」は、基本的に段階的な変化を表します。

そのため、一度だけ起こる出来事には使いにくいことがあります。

不自然な例

電車が到着するにつれて、ドアが開いた。

電車が到着した後にドアが一度開くのであれば、段階的な変化ではありません。

この場合は、次のように言うほうが自然です。

電車が到着すると、ドアが開いた。

自然な例

駅に近づくにつれて、乗客が降りる準備を始めた。

駅に少しずつ近づくという変化に伴って、乗客の行動も変化しています。

ミニチェック問題

次の文の空欄に入る最も自然な言葉を考えてみましょう。

問題1

山を登る(    )、気温が下がってきた。

問題2

係員の指示(    )、順番に並んでください。

問題3

経験を積む(    )、難しい仕事も任されるようになった。

問題4

時代の変化(    )、必要とされる能力も変わっていく。

解答とポイント

問題1

答え:

につれて

山を登るという段階的な変化に伴って、気温が下がっています。

「にしたがって」も文法的には可能ですが、自然な変化を表す「につれて」がよく合います。

問題2

答え:

にしたがって

指示どおりに行動するという意味です。

比例変化ではありません。

問題3

答え:

につれて

経験が増えることに伴って、任される仕事も変化しています。

「にしたがって」を使うこともできますが、個人の経験に伴う自然な変化なので、「につれて」が使いやすいでしょう。

問題4

答え:

にしたがって

「につれて」も使えます。

ただし、社会の変化を客観的に説明する文章なので、「にしたがって」がよく合います。

関連する文法まとめ: JLPTで迷いやすい原因・理由・結果表現まとめ

まとめ:「変化」なのか、「指示どおり」なのかを見極めよう

最後に、ポイントを整理します。

  • 「につれて」と「にしたがって」は、どちらもAの変化に伴ってBも変化することを表す
  • 「につれて」は、自然に進む変化や日常的な話題で使いやすい
  • 「にしたがって」は、客観的でやや硬い文章でも使いやすい
  • 「にしたがって」には、指示、規則、方針、順序などに従うという意味もある
  • 一度だけ起こる出来事ではなく、段階的な変化に注目する

JLPTの読解問題では、単語の意味が分かるだけでは十分ではありません。

似ている文型の小さな違いを見抜けるようになると、最後の二択で迷うことが少なくなります。

「分かったつもり」で終わらせず、実際の問題を解きながら判断力を磨いていきましょう。

文型の違いを、実戦問題で身につけよう

似た文型を読んだだけで覚えるのは難しいものです。

RJT(Rapid Japanese Training)では、JLPT対策の問題を解きながら、迷いやすい選択肢の違いを確認できます。

1問ずつ集中して取り組み、自分がどこで迷ったのかを振り返ることで、読解の精度は少しずつ上がっていきます。

JLPTの実戦問題で、文型を見分ける力を伸ばす


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