「ようとする」と「つもりだ」の違いは?行動直前と意志の差を整理する

2026年06月07日(日) 07時34分48秒

更新: 2026年05月30日(土) 21時34分51秒

「ようとする」と「つもりだ」の違いは?行動直前と意志の差を整理する

日本語を勉強していると、どちらも「何かをしようと思っている」という意味に見える表現があります。

その代表が、「ようとする」と「つもりだ」です。

たとえば、次の二つの文を見てください。

「家を出ようとしたとき、電話が鳴った。」

「明日は朝早く家を出るつもりだ。」

どちらも「家を出る」という行動に関係しています。

しかし、文が見ているポイントは同じではありません。

一つ目は、まさに行動を始める直前の場面です。

二つ目は、これから行う予定や意志を述べています。

JLPTの文法問題や読解では、この時間感覚の違いを見抜くことが重要です。

まず結論

「ようとする」は、行動を始めようとする動きに注目する表現です。

「つもりだ」は、本人が心の中で持っている意志や予定に注目する表現です。

短く整理すると、次のようになります。

  • 「ようとする」:行動に移ろうとする
  • 「つもりだ」:そうすると決めている、または予定している

この違いを理解すると、似た選択肢が並んでも迷いにくくなります。

「ようとする」は、行動直前の動きを表す

「ようとする」は、動詞の意向形に「とする」を付けた形です。

  • 食べる → 食べようとする
  • 行く → 行こうとする
  • 帰る → 帰ろうとする
  • 開ける → 開けようとする
  • 勉強する → 勉強しようとする

この表現は、何かを実際に始めようとする場面でよく使われます。

行動の直前を表す例

「電車に乗ろうとしたとき、ドアが閉まった。」

この文では、話し手は電車に乗る意志を持っていただけではありません。

実際に乗るために動き始めたところで、ドアが閉まったのです。

「ようとしたとき」は、何かが起きる直前の場面を描くときによく使われます。

試みたが、成功しなかった場合にも使う

「窓を開けようとしたが、動かなかった。」

この場合は、窓を開けるために実際に動作を始めています。

しかし、結果として窓は開きませんでした。

つまり、「ようとする」には、「実際にやってみる」「試みる」という意味が出ることもあります。

「つもりだ」は、本人の意志や予定を表す

「つもりだ」は、動詞の辞書形や「ない形」に付けて使います。

  • 行くつもりだ
  • 勉強するつもりだ
  • 買わないつもりだ
  • 遅刻しないつもりだ

この表現が表すのは、話し手の意志、計画、予定です。

将来の予定を述べる例

「来年、日本へ留学するつもりだ。」

この文では、留学のために今すぐ行動を始めているとは限りません。

大切なのは、「本人が留学しようと考えている」という点です。

否定の意志にも使える

「今日は甘いものを食べないつもりだ。」

この文は、「食べない」と決めていることを表します。

「つもりだ」は、行動をする場合だけでなく、行動をしないと決めている場合にも使えます。

二つの違いを例文で比べる

例1:家を出る

「家を出ようとしたとき、雨が降り始めた。」

この文では、すでに玄関へ向かう、靴を履く、ドアを開けるなど、家を出るための動きが始まっています。

一方で、

「明日は7時に家を出るつもりだ。」

この文は、明日の予定を述べています。

まだ実際に家を出る動作は始まっていません。

例2:質問する

「先生に質問しようとしたが、授業が終わってしまった。」

この文では、質問するために声をかけようとしたところで、機会を失っています。

一方で、

「授業のあとで先生に質問するつもりだ。」

この文は、これから質問する予定を表しています。

例3:ドアを開ける

「ドアを開けようとしたが、鍵がかかっていた。」

この文では、実際にドアを開ける動作を試みています。

一方で、

「荷物を取ったら、ドアを開けるつもりだ。」

この文では、ドアを開ける予定を述べています。

JLPTで迷わないための見分け方

文法問題で迷ったときは、「意志があるか」だけで考えないことが大切です。

「ようとする」にも、「つもりだ」にも、本人の意志が関係することがあります。

見るべきなのは、行動がどの段階にあるかです。

「ようとする」を選びやすいサイン

次のような語句がある場合は、行動直前の場面を表す「ようとする」が使われやすくなります。

  • 「とき」
  • 「ところ」
  • 「その瞬間」
  • 「が」
  • 「けれど」
  • 「突然」
  • 「ちょうど」

たとえば、

「寝ようとしたとき、友達から電話がかかってきた。」

「席を立とうとしたが、先生に呼び止められた。」

このような文では、ある行動を始めようとした瞬間に、別の出来事が起きています。

「つもりだ」を選びやすいサイン

次のような語句がある場合は、予定や意志を表す「つもりだ」が使われやすくなります。

  • 「来年」
  • 「卒業後」
  • 「明日」
  • 「これから」
  • 「予定」
  • 「決めている」
  • 「将来」

たとえば、

「卒業後は、日本で働くつもりだ。」

「明日から毎日30分ずつ勉強するつもりだ。」

このような文では、本人がこれから何をするかを述べています。

「ようとしている」にも注目する

「ようとする」は、「ようとしている」という形でもよく使われます。

「電車が出発しようとしている。」

この文は、電車がまもなく出発する状態を表しています。

「子どもが一人で靴を履こうとしている。」

この文では、子どもが実際に靴を履くことに挑戦しています。

つまり、「ようとしている」は、次の二つの意味で使われます。

  • まもなく何かが起こる
  • 実際に何かをしようと努力している

文脈を見ながら判断しましょう。

「ようとしない」は、行動しようとする姿勢がない

否定形の「ようとしない」も、JLPTでよく見かけます。

「彼は自分の間違いを認めようとしない。」

これは、単に「認めない予定だ」という意味ではありません。

本人に、認めるための姿勢や努力が見られないことを表しています。

「子どもが野菜を食べようとしない。」

この場合も、野菜を食べる動作を始めようとしないという意味です。

「ないつもりだ」とは、意味が異なります。

「今日は野菜を食べないつもりだ。」

こちらは、本人が食べないと決めていることを表します。

読解では、時間の流れを追う

読解問題で「ようとする」が出てきたら、動作の前後を確認してください。

たとえば、

駅を出ようとしたとき、後ろから名前を呼ばれた。振り返ると、大学時代の友人が立っていた。

この文章では、駅を出る動作の直前に、別の出来事が起きています。

「ようとしたとき」は、場面が切り替わる合図として働いています。

一方で、

大学を卒業したら、しばらく海外で働くつもりだ。そのために、今は英語を勉強している。

この文章では、将来の計画が述べられています。

「つもりだ」の後ろには、その計画に向けた準備や理由が続くこともあります。

よくある間違い

間違い1:「ようとする」は、単なる予定ではない

「来年、日本へ留学しようとしている。」

この文も文法的には使えますが、「留学のための準備を進めている」「実現に向けて動いている」というニュアンスが出やすくなります。

単に本人の予定を述べたい場合は、

「来年、日本へ留学するつもりだ。」

のほうが自然です。

間違い2:「つもりだ」は、行動直前を強調しない

「寝るつもりだったとき、電話が鳴った。」

意味は理解できますが、まさに寝ようと動き始めた瞬間を表したい場合は、

「寝ようとしたとき、電話が鳴った。」

のほうが自然です。

間違い3:英語の「intend」だけで覚えない

「ようとする」を「intend to do」、「つもりだ」を「plan to do」とだけ覚えると、細かい違いを見落としやすくなります。

日本語では、本人の考えだけでなく、行動が始まっているかどうかが重要です。

ミニクイズ

次の文の( )に入る、より自然な表現を考えてみましょう。

問題1

家を出( )としたとき、宅配便が届いた。

  • よう
  • るつもりだ

答え:

「家を出ようとしたとき、宅配便が届いた。」

行動を始めようとした瞬間に、別の出来事が起きています。

問題2

来月から、毎日日本語のニュースを読む( )。

  • ようとした
  • つもりだ

答え:

「来月から、毎日日本語のニュースを読むつもりだ。」

これから始める予定や意志を表しています。

問題3

彼は何度説明しても、自分の考えを変え( )。

  • ようとしない
  • ないつもりだ

答え:

「彼は何度説明しても、自分の考えを変えようとしない。」

変えるための姿勢が見られないことを表しています。

関連する推量・判断表現をまとめて確認したい場合は、「JLPTで迷いやすい推量・判断表現まとめ」も参考になります。

否定表現全体の違いを整理したい場合は、「JLPTで迷いやすい否定表現まとめ」も参考になります。

まとめ

「ようとする」と「つもりだ」は、どちらも意志と関係があります。

しかし、注目しているポイントは異なります。

  • 「ようとする」は、行動に移ろうとする瞬間や、実際の試みを表す
  • 「つもりだ」は、本人が持っている意志や予定を表す
  • 「ようとしたとき」は、別の出来事が起きる直前の場面でよく使う
  • 「ようとしない」は、行動しようとする姿勢が見られないことを表す
  • 「つもりだ」は、将来の計画や決意を述べるときに使いやすい

JLPTでは、単語の意味だけを追うのではなく、行動が始まる前なのか、すでに動き始めているのかを意識して読んでみてください。

文法の違いが少しずつ見えるようになると、読解の文章も、選択肢の細かな差も、驚くほど読みやすくなります。

似た表現を、問題を解きながら身につけよう

文法の解説を読んで理解したつもりでも、実際の問題では迷ってしまうことがあります。

大切なのは、似た表現を比べながら、文脈の中で何度も判断することです。

RJT(Rapid Japanese Training)では、JLPT対策の語彙・文法・読解・聴解問題に取り組みながら、自分の弱点を確認できます。

「意味は分かるのに、なぜか正解を選べない」という悩みを、少しずつ減らしていきましょう。

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