「について」と「に関して」の違いは?話題の広さと硬さを整理する

2026年06月10日(水) 06時15分51秒

更新: 2026年06月04日(木) 06時15分30秒

「について」と「に関して」の違いは?話題の広さと硬さを整理する

日本語の文章を読んでいると、よく似た表現が何度も出てきます。

たとえば、次の2つです。

日本の教育制度について調べています。

日本の教育制度に関して調べています。

どちらも文法的には正しく、意味もよく似ています。

そのため、JLPTの読解問題で見かけると、「どちらを選んでもよいのでは?」と迷ってしまうことがあります。

しかし、実際には少しだけニュアンスが違います。

結論から言うと、日常的で幅広く使いやすいのが「について」、少し硬く、改まった印象を与えるのが「に関して」です。

この記事では、2つの違いを例文と一緒に整理します。

細かなニュアンスが分かるようになると、JLPT N3〜N2の読解問題で選択肢を比べるときにも役立ちます。

「について」の基本的な意味

「について」は、あるテーマを話題として取り上げるときに使います。

形は次のとおりです。

  • 名詞 + について
  • 名詞 + についての + 名詞

たとえば、次のように使います。

日本の歴史について勉強しています。

将来の仕事について考えています。

環境問題についての本を読みました。

「何をテーマにして勉強するのか」「何を話題として考えるのか」を示しています。

会話でも文章でもよく使われる、非常に使いやすい表現です。

「に関して」の基本的な意味

「に関して」も、あるテーマや物事との関係を示す表現です。

形は次のとおりです。

  • 名詞 + に関して
  • 名詞 + に関する + 名詞

たとえば、次のように使います。

奨学金制度に関して質問があります。

個人情報の取り扱いに関するお知らせです。

今回の事故に関して、詳しい調査が行われています。

意味は「について」と似ています。

ただし、「に関して」は少し硬い表現です。

日常会話よりも、会社からのお知らせ、ニュース、報告書、説明文、問い合わせなどでよく使われます。

一番大きな違いは文章の硬さ

「について」と「に関して」の違いを考えるとき、まず注目したいのは文章の硬さです。

「について」は自然で使いやすい

「について」は、会話でも文章でも自然に使えます。

週末の旅行について相談しましょう。

好きな映画について話してください。

日本文化についてレポートを書きます。

友達との会話、学校の授業、作文、一般的な説明文など、幅広い場面に合います。

「に関して」は改まった印象になる

「に関して」は、少し事務的で客観的な印象があります。

契約内容に関して、ご不明な点があればお問い合わせください。

試験の日程に関する変更をお知らせします。

この問題に関して、専門家の意見を聞きました。

会社、学校、役所などからの正式なお知らせにもよく出てきます。

重要なのは、「に関して」を使うと、文章全体が少し硬く見えるということです。

話題の広さにも少し違いがある

「について」は、あるテーマを広く取り上げるときによく使われます。

日本のアニメについて話しましょう。

この場合、日本のアニメというテーマを自由に取り上げています。

歴史、作品、人気の理由、海外での評価など、さまざまな内容を話すことができます。

一方、「に関して」は、ある問題や制度、出来事との関係を意識するときに使われやすい表現です。

アニメ作品の著作権に関して、専門家が説明しました。

この場合は、単にアニメについて自由に話すのではありません。

「著作権」という具体的な論点に関係する内容を扱っています。

ただし、注意が必要です。

「について」は必ず広いテーマ、「に関して」は必ず狭いテーマ、というルールではありません。

実際には、どちらでも使える場合が多くあります。

話題の広さよりも、文章の硬さや場面の違いを手がかりにするほうが確実です。

置き換えられる場合も多い

次の2つの文を比べてみましょう。

新しい制度について説明します。

新しい制度に関して説明します。

どちらも自然です。

ただし、印象は少し違います。

「新しい制度について説明します」は、一般的で分かりやすい言い方です。

「新しい制度に関して説明します」は、説明会や公式文書で使われそうな、少し硬い言い方です。

次の例も同じです。

この問題について調査しています。

この問題に関して調査しています。

どちらも意味はほぼ同じです。

しかし、ニュース記事や報告書では「に関して」のほうが使われやすい傾向があります。

JLPT読解では場面を確認する

JLPTの読解問題では、単語だけを見るのではなく、文章全体の場面を確認することが大切です。

たとえば、次のような文章を考えてみましょう。

来月の研修に___、参加者には後日詳しい資料を送付します。

選択肢に「ついて」と「関して」があった場合、どちらも意味は通じそうに見えます。

しかし、後半には「参加者」「後日」「資料を送付します」という改まった表現があります。

そのため、より自然なのは次の文です。

来月の研修に関して、参加者には後日詳しい資料を送付します。

このように、周囲の言葉が硬い文章では「に関して」が選ばれやすくなります。

反対に、日常的な会話では「について」のほうが自然です。

日本の食文化について、どう思いますか。

この文を「日本の食文化に関して、どう思いますか」と言っても間違いではありません。

しかし、普通の会話としては少し硬く感じられます。

「についての」と「に関する」の形にも注意する

名詞を後ろに続ける場合は、形が変わります。

「について」の場合は、「についての」を使います。

日本文化についての本

進学についての相談

新しい法律についての説明

「に関して」の場合は、「に関する」を使います。

個人情報に関する規則

試験に関するお知らせ

事故に関する調査報告書

特にニュースやビジネス文書では、「に関する」がよく使われます。

JLPTの読解では、この形も見逃さないようにしましょう。

よくある間違い

学習者が注意したいのは、意味だけを見て機械的に置き換えてしまうことです。

たとえば、友達との会話で次のように言うと、少し硬く聞こえます。

昨日のパーティーに関して、どう思った?

文法的には間違いではありません。

しかし、自然な日常会話なら、次のほうが使いやすいでしょう。

昨日のパーティーについて、どう思った?

反対に、正式なお知らせでは「に関して」がよく合います。

システム障害に関して、現在原因を調査しています。

場面に合った表現を選ぶことが大切です。

ミニチェック問題

次の文では、「について」と「に関して」のどちらがより自然でしょうか。

問題1

明日の授業___、何か質問がありますか。

答えは「について」です。

授業中の自然な会話なので、一般的で柔らかい「について」が合います。

問題2

サービスの利用料金___、重要なお知らせがあります。

答えは「に関して」です。

公式なお知らせのような硬い場面なので、「に関して」が自然です。

問題3

日本の少子化___、レポートを書いてください。

答えは「について」です。

幅広いテーマを取り上げる課題なので、「について」が自然です。

問題4

今回の事故___、警察が詳しい調査を進めています。

答えは「に関して」です。

ニュースや報告書のような客観的で硬い文脈なので、「に関して」がよく合います。

読解問題で迷ったときの見分け方

選択肢で迷ったときは、次の順番で考えてみてください。

  • 会話や一般的な説明なら「について」
  • 公式なお知らせ、報告、調査、問い合わせなら「に関して」
  • テーマを広く取り上げるなら「について」
  • 特定の問題や制度との関係を意識するなら「に関して」
  • 名詞の前では「についての」または「に関する」

ただし、どちらも使える文は少なくありません。

その場合は、正解を一つに決めようと焦るのではなく、文章全体の雰囲気を確認しましょう。

JLPTでは、この「文章全体の雰囲気」をつかむ力が非常に重要です。

関連する文法まとめ: JLPTでよく出る書き言葉・硬い表現まとめ

まとめ

「について」と「に関して」は、どちらもテーマや関係する内容を示す表現です。

大きな違いは、文章の硬さです。

  • 「について」は自然で使いやすく、会話にも文章にも合う
  • 「に関して」は少し硬く、公式なお知らせや報告書でよく使われる
  • 話題の広さに違いが出ることもあるが、必ずしも明確に分けられるわけではない
  • 読解問題では、前後の言葉や文章全体の場面を確認する

単語の意味を知っているだけでは、JLPTの読解問題で正解を選べないことがあります。

必要なのは、似た表現のわずかなニュアンスを見分ける力です。

RJT(Rapid Japanese Training)では、1問ずつテンポよく問題を解きながら、迷いやすい選択肢を見分ける力を鍛えることができます。

「意味は分かるのに、なぜか間違える」という悩みを、一つずつ減らしていきましょう。

JLPT読解で迷わない力を、RJTで身につける


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