「ようになる」と「ようにする」で迷ったことはありませんか
日本語を勉強していると、形はよく似ているのに、意味の方向が大きく違う表現に出会います。
その代表が、
「ようになる」
「ようにする」
です。
たとえば、次の二つを見てください。
日本語が少しずつ聞き取れるようになりました。
毎日、日本語のニュースを聞くようにしています。
どちらにも「ように」が入っていますが、同じ意味ではありません。
「聞き取れるようになりました」は、能力や状態が変化したことを表しています。
一方、「聞くようにしています」は、自分で意識して続けている習慣や努力を表しています。
この違いがあいまいなままだと、JLPTの文法問題だけでなく、読解でも文の流れを読み間違えやすくなります。
まず結論:「ようになる」は変化、「ようにする」は努力
いちばん大切なのは、次のように分けて考えることです。
- 「ようになる」は、ある状態に変わること
- 「ようにする」は、そうするために意識して行動すること
つまり、
「ようになる」は結果に注目します。
「ようにする」は行動のしかたに注目します。
この違いを押さえるだけで、かなり読みやすくなります。
「ようになる」は、自然な変化や能力の変化を表す
「ようになる」は、前はできなかったことができるようになる、前はそうではなかった状態がそう変わる、という意味で使われます。
たとえば、
漢字が読めるようになりました。
前は漢字があまり読めなかった。
でも、勉強を続けた結果、今は読める状態になった。
このような変化を表します。
ほかにも、
日本語で簡単なメールが書けるようになりました。
先生の話が少しずつ分かるようになりました。
最近、朝早く起きられるようになりました。
これらはすべて、ある状態への変化を表しています。
重要なのは、「本人が努力したかどうか」よりも、「状態が変わった」という結果に焦点があることです。
もちろん、努力の結果として変化することも多いです。
しかし、文の中心は努力ではなく、変化です。
「ようにする」は、意識して行動することを表す
一方、「ようにする」は、ある行動を意識的に行う、または行わないように気をつける、という意味で使われます。
たとえば、
毎日、単語を10個覚えるようにしています。
これは、自然にそうなったという意味ではありません。
自分で決めて、意識して続けているという意味です。
ほかにも、
授業の前に予習するようにしています。
分からない言葉はすぐに調べるようにしています。
夜遅くまでスマホを見ないようにしています。
どれも、本人の意志や習慣づくりが関係しています。
つまり、「ようにする」は、結果ではなく、行動をコントロールしようとする姿勢を表すのです。
「ようになった」と「ようにした」の違い
JLPTで特に注意したいのが、過去形です。
「ようになった」
「ようにした」
この二つは、かなり違います。
日本語の新聞が読めるようになった。
これは、読めない状態から読める状態に変わった、という意味です。
日本語の新聞を読むようにした。
これは、自分で決めて、新聞を読む習慣を始めた、という意味です。
つまり、
「読めるようになった」は能力の変化。
「読むようにした」は行動方針の変化。
この違いを見落とすと、文の意味がずれてしまいます。
動詞の形にも注目する
「ようになる」と「ようにする」は、前に来る動詞の形を見ると判断しやすくなります。
可能形 + ようになる
能力の変化を表すときは、よく可能形が使われます。
読めるようになる
話せるようになる
聞き取れるようになる
使えるようになる
この形が出てきたら、「できる状態への変化」と考えると分かりやすいです。
例文を見てみましょう。
最初は何も分かりませんでしたが、最近は先生の説明が聞き取れるようになりました。
この文では、聞き取る能力が変化しています。
辞書形 + ようにする
習慣や意識的な行動を表すときは、辞書形がよく使われます。
毎日読むようにする
早く寝るようにする
忘れずに確認するようにする
例文です。
試験の前は、毎日少しでも日本語を読むようにしています。
この文では、読む力が自然に変化したのではなく、読む行動を意識して続けていることを表しています。
ない形 + ようにする
「ようにする」は、否定形ともよく使います。
忘れないようにする
遅れないようにする
間違えないようにする
例文です。
同じミスをしないように、答えを選ぶ前に文全体を読むようにしています。
ここでは、「ミスをしない」ために意識して行動していることが表されています。
読解では「結果」か「努力」かを見る
JLPTの読解でこの二つを見分けるときは、次のように考えると便利です。
「ようになる」が出てきたら、何が変わったのかを探します。
能力が上がったのか。
習慣が変わったのか。
状態が変わったのか。
以前と今の違いは何か。
一方、「ようにする」が出てきたら、誰が何を意識しているのかを探します。
何を続けようとしているのか。
何に気をつけているのか。
どんな目的のために行動しているのか。
たとえば、
日本に来てから、店員の話す日本語が少し分かるようになった。
この文では、「分かる状態への変化」が大切です。
一方、
日本に来てから、毎日店員の話す日本語をよく聞くようにした。
この文では、「意識して聞く行動を始めた」ことが大切です。
似ていますが、読んでいるポイントは違います。
学習者がよく間違えるポイント
学習者がよく間違えるのは、「ようになる」をすべて努力の意味で読んでしまうことです。
たとえば、
最近、ニュースの内容が分かるようになりました。
この文は、「ニュースを分かろうと努力しています」という意味ではありません。
「ニュースの内容が分かる状態になった」という意味です。
反対に、
ニュースを見るようにしています。
これは、「ニュースが見られる能力がついた」という意味ではありません。
「ニュースを見ることを習慣にしている」という意味です。
つまり、同じ「ように」があっても、
変化した結果なのか。
意識して行う行動なのか。
ここを必ず分けて読む必要があります。
JLPTの選択肢で迷わないためのコツ
問題を解くときは、まず前後の文を見てください。
前に「以前はできなかった」「最近」「だんだん」「少しずつ」などがある場合は、「ようになる」が合いやすいです。
例:
前は漢字が苦手でしたが、毎日勉強して、少しずつ読めるようになりました。
この文では、以前と今の変化がはっきりしています。
一方、「毎日」「忘れずに」「できるだけ」「気をつけて」などがある場合は、「ようにする」が合いやすいです。
例:
試験まで時間がないので、毎日30分は日本語を読むようにしています。
この文では、意識的な習慣がポイントです。
原因・理由表現をまとめて確認したい場合は、JLPTで迷いやすい原因・理由表現まとめも役立ちます。
まとめ:「ようになる」は変わった結果、「ようにする」は変えるための行動
「ようになる」と「ようにする」は、形が似ているため混乱しやすい表現です。
でも、中心を見れば違いははっきりします。
「ようになる」は、状態や能力が変わること。
「ようにする」は、自分で意識して行動すること。
読解では、「何が変わったのか」「誰が何を意識しているのか」を考えると、文の流れがつかみやすくなります。
JLPTでは、単語の意味だけを知っていても、選択肢で迷うことがあります。
大切なのは、文型が文の中でどんな役割をしているかを読む力です。
RJT(Rapid Japanese Training)では、こうした似ている文型の違いを、問題演習を通して効率よく確認できます。解答後に解説を読み、音声で例文を聞き、分からない語句をその場で確認しながら、読解に必要な判断力を少しずつ育てていけます。
「なんとなく分かる」から「自信を持って選べる」へ。
JLPTの文法と読解をもっと実戦的に鍛えたい方は、RJTで今日の学習を始めてみてください。