日本語を勉強していると、早い段階で出会うのに、なかなか手ごわい表現があります。それが「あげる」「くれる」「もらう」です。どれも物や行為のやり取りを表しますが、違いは単純な言い換えではありません。
JLPTでもよく出題されるこの文法。ポイントはただ一つ、**「だれの立場から見るか(カメラの向き)」**です。この記事では、それぞれの違いと、試験で役立つ見分け方のコツをすっきり整理します。
1. 「あげる」:外へ出す視点(私 → 相手)
「あげる」は、だれかがほかの人に何かを与えるときに使います。話し手(多くは「私」)の側から、外に向かって物が出ていくイメージです。
基本の形
- A は B に 物 を あげる
例文
私は友だちにお土産をあげました。
母は弟に新しいかばんをあげました。
JLPTの注意ポイント:目上の人への使用
目上の人に対して「あげる」を使うと、少し上から目線に聞こえることがあります。
- 誤った文:私は先生にプレゼントをあげました。
- より自然な文:私は先生にプレゼントを差し上げました。
2. 「くれる」:こちらへ来る視点(相手 → 私)
「くれる」は、相手が「私」や「私の身内(家族など)」に何かを与えるときに使います。何かが話し手側へ入ってくる感覚です。
基本の形
- A は 私(または身内) に 物 を くれる
例文
友だちは私にお土産をくれました。
先生は弟に本をくれました。
JLPTの注意ポイント:「くれる」の方向
「くれる」は必ず「話し手側に向かって」使われます。自分が他人に与える場合には使えません。
- 誤った文:私は友だちに本をくれました。
- 正しい文:私は友だちに本をあげました。
3. 「もらう」:受け取る視点(私が受け取る)
「もらう」は、受け取る人を主語(中心)にして言う表現です。「だれがくれたか」ではなく、「だれが受け取ったか」にカメラを向けます。
基本の形
- A は B に(から) 物 を もらう
例文
私は友だちにお土産をもらいました。
弟は先生から本をもらいました。
JLPTの注意ポイント:助詞の選択
「もらう」の文では、物をくれた相手を表す助詞に「に」または「から」を使います。どちらも正しいですが、問題文を読むときはこの助詞がヒントになります。
4. 発展:行為のやり取り(~てあげる / くれる / もらう)
この三つは、物だけでなく「行為」にも使えます。ルールは物の場合とまったく同じです。
- 相手が私のためにしてくれた:~てくれる
友だちが宿題を手伝ってくれました。
- 私がだれかにしてもらった:~てもらう
母に駅まで送ってもらいました。
- 私がだれかのためにしてあげた:~てあげる
私は後輩に資料をコピーしてあげました。
5. JLPTで迷ったときの見分け方
試験で迷ったときは、次の順番で考えると整理しやすいです。
- 与えたのはだれか?
- 受け取ったのはだれか?
- 主語(は・が)はだれになっているか?
与える側が主語なら「あげる」、相手が私側に与えたなら「くれる」、受け取る側が主語なら「もらう」です。
効率よくJLPT対策をするなら
「あげる」「くれる」「もらう」は、単語の暗記だけではなかなか定着しません。「視点の違い」というルールで理解すると、急に見通しがよくなり、読解問題のスコアアップにも直結します。
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