導入
「確認する」と「確かめる」は、どちらも「間違いがないか調べる」という意味を持っています。
そのため、日本語学習者にとっては、どちらを使っても同じように見えるかもしれません。
しかし、この2つの言葉には、チェックする目的や方法に少し違いがあります。
「確認する」は、情報や予定、内容などを照らし合わせて、間違いがないことをはっきりさせる場面でよく使われます。一方、「確かめる」は、自分で見たり、聞いたり、試したりして、本当かどうかを知ろうとする場面でよく使われます。
意味が近いからこそ、場面に合わない言葉を選ぶと、意味は伝わっても少し不自然に聞こえることがあります。
今回は、よくある間違いから、「確認する」と「確かめる」の自然な使い分けを見ていきましょう。
よくある間違い
次の文を見てください。
会社から届いたメールを読んで、面接の日時を確かめました。
意味は十分に伝わります。しかし、この場面では「確かめました」よりも「確認しました」のほうが自然です。
面接の日時は、会社から正式に伝えられた情報です。メールに書かれている内容を読み、日時に間違いがないかチェックしているため、「確認する」がよく使われます。
もう一つ見てみましょう。
スープの味を確認して、塩を少し足しました。
この文も文法的な間違いではありません。料理店の仕事などでは「味を確認する」と言うこともあります。
ただし、日常会話で、自分が実際にスープを飲んで味を調べたことを表すなら、「味を確かめる」のほうが自然です。
同じ「チェックする」でも、何をどのような目的で調べるかによって、適切な言葉が変わります。
なぜ不自然に聞こえるのか
「確認する」と「確かめる」を混同しやすい理由は、どちらも英語では「check」や「confirm」などと訳されることが多いからです。
しかし、日本語では、チェックするときの意識に違いがあります。
「確認する」では、すでにある情報や決められた内容を見て、正しいか、間違いがないかをはっきりさせます。
例えば、次のようなものです。
- 会議の日時
- 予約の内容
- 契約の条件
- 書類の記入内容
- 本人の名前や身分
- データや数字
このような場面では、基準や情報がすでにあり、それと照らし合わせてチェックしています。
一方、「確かめる」では、自分がまだ十分に分かっていないことについて、実際に行動して本当かどうかを調べます。
例えば、次のような行動です。
- 自分の目で見る
- 手で触る
- 耳で聞く
- 味を見る
- 実際に試す
- 現場へ行く
つまり、「確認する」は情報や手続きのチェックに使われやすく、「確かめる」は疑問や不安をなくすための実際のチェックに使われやすいのです。
ただし、これは完全なルールではありません。
「味を確認する」のように、仕事上の基準と照らし合わせる場合は「確認する」も使えます。「先生に試験の日程を確かめる」のように、質問して事実を知ろうとする場合は「確かめる」も使えます。
大切なのは、何をチェックするかだけでなく、どのような意識でチェックするかを見ることです。
自然な言い方
先ほどの誤用例を、より自然な文に直してみましょう。
面接の日時をチェックする場合
不自然になりやすい文:
会社から届いたメールを読んで、面接の日時を確かめました。
自然な文:
会社から届いたメールを読んで、面接の日時を確認しました。
メールには、会社が決めた正式な日時が書かれています。その情報を読み直して間違いがないかチェックしているため、「確認しました」が自然です。
スープの味を自分で調べる場合
少し硬く聞こえる文:
スープの味を確認して、塩を少し足しました。
日常会話で自然な文:
スープの味を確かめて、塩を少し足しました。
実際にスープを飲んで、自分の感覚で味を調べています。そのため、「確かめました」が自然です。
ただし、料理店の責任者が決められた味になっているかチェックする場合は、次のように言えます。
お客様に出す前に、スープの味を確認しました。
この場合は、店の基準に合っているかを仕事としてチェックしているため、「確認する」も自然です。
2つの語の基本的な違い
「確認する」は、情報や内容を照らし合わせて、間違いがないことをはっきりさせる表現です。
仕事、学校、手続き、予約などの場面でよく使われます。相手との間で情報を共有したり、正式な内容をチェックしたりするときにも適しています。
「確かめる」は、分からないことや不安なことについて、自分で見たり、聞いたり、試したりして、本当かどうかを調べる表現です。
自分の感覚や行動によって納得しようとする気持ちが含まれやすい言葉です。
簡単に整理すると、次のように考えられます。
- 確認する:情報や決められた内容に間違いがないかチェックする
- 確かめる:本当かどうかを自分で調べて納得する
「公式な情報や決められた内容をチェックするなら確認する」「自分で見たり試したりするなら確かめる」と考えると、基本的な違いをつかみやすくなります。
例文で感覚をつかむ
予約内容をもう一度確認してください
ホテルに到着する前に、予約内容をもう一度確認してください。
予約の日付、人数、部屋の種類など、すでに登録されている情報をチェックしています。そのため、「確認する」が自然です。
先生に提出期限を確認しました
レポートの提出期限が分からなかったので、先生に確認しました。
先生から正式な情報を聞き、提出期限をはっきりさせています。学校や仕事で必要な情報を問い合わせる場合は、「確認する」がよく使われます。
書類に間違いがないか確認してください
提出する前に、名前と住所に間違いがないか確認してください。
書類に書いた内容を見直し、正しく記入されているかチェックしています。「確認する」が適した場面です。
ドアが閉まっているか確かめました
家を出る前に、玄関のドアが閉まっているか確かめました。
自分の目や手で、ドアが本当に閉まっているかを調べています。自分の行動によって不安をなくしているため、「確かめる」が自然です。
スープの味を確かめました
塩を入れる前に、スープの味を確かめました。
実際に味見をして、味の状態を自分の感覚で調べています。そのため、「確かめる」が自然です。
本当に電車が止まっているのか確かめました
駅の前に人が集まっていたので、本当に電車が止まっているのか確かめました。
まだ事実かどうか分からないことについて、駅員に聞いたり、案内表示を見たりして調べています。「本当かどうかを知る」という意識が強いため、「確かめる」がよく合います。
データが正しいか確認しました
報告書を提出する前に、売上データが正しいか確認しました。
元の資料や記録と数字を照らし合わせて、間違いがないかチェックしています。仕事上の正確さが求められる場面なので、「確認する」が自然です。
自分の目で確かめてください
うわさだけを信じないで、自分の目で確かめてください。
人から聞いた情報だけで判断せず、実際に見て本当かどうかを判断するように勧めています。「自分で直接調べる」という意味が強いため、「確かめる」が自然です。
JLPTで間違えやすい選択肢
JLPTの語彙問題では、「確認する」と「確かめる」が同じ選択肢の中に出る可能性があります。
どちらも「チェックする」という意味があるため、単語の意味だけで選ぶと間違いやすくなります。
次のような文を考えてみましょう。
飛行機に乗る前に、出発時刻をもう一度( )ください。
この場合は、「確認して」が自然です。
出発時刻は、航空会社が決めて発表している情報です。その時刻を案内やチケットでチェックしているため、「確認する」が合います。
一方、次の文ではどうでしょうか。
音が聞こえたので、外に誰かいるか( )ために窓を開けた。
この場合は、「確かめる」が自然です。
外に誰かいるかどうかは、まだ分かりません。窓を開けて、自分の目で本当かどうかを調べようとしています。
JLPTで迷ったときは、次の点を確認しましょう。
- すでにある情報や決められた内容をチェックしているか
- 本当かどうか分からないことを、自分で調べているか
- 仕事や手続きとして正確さを確認しているか
- 見る、聞く、触る、試すなどの具体的な行動があるか
「予定」「予約」「内容」「書類」「本人」「数字」などが中心なら、「確認する」が選ばれやすくなります。
「本当に」「自分の目で」「実際に」「味」「音」「閉まっているか」などが中心なら、「確かめる」が選ばれやすくなります。
ただし、単語だけで機械的に決めるのではなく、文全体の目的を考えることが大切です。
まとめ
「確認する」と「確かめる」は、どちらも間違いがないか調べるときに使いますが、チェックするときの意識が異なります。
- 確認する:情報や予定、内容を照らし合わせて、間違いがないことをはっきりさせる
- 確かめる:分からないことや不安なことを、自分で見たり試したりして本当かどうかを調べる
面接の日時、予約内容、書類、データなどをチェックする場合は、「確認する」が自然です。
味、音、ドアの状態、うわさの真偽などを自分で調べる場合は、「確かめる」が自然です。
似ている言葉の問題では、辞書の意味だけでなく、「何のために、どのような方法でチェックしているのか」を考えると、正しい表現を選びやすくなります。
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