N2で押さえたい「課題・問題・原因」の使い方|読解で迷わない見分け方

2026年08月21日(金) 07時08分34秒

更新: 2026年08月19日(水) 08時21分17秒

N2で押さえたい「課題・問題・原因」の使い方|読解で迷わない見分け方

JLPT N2の読解では、単語そのものは難しくないのに、文章全体の意味がつかみにくいことがあります。

特に注意したいのが、

  • 課題
  • 問題
  • 原因

のような、説明文や評論文でよく使われる抽象的な言葉です。

「課題も問題も、何か困っていることでは?」
「原因は分かるけれど、問題や課題との関係がよく分からない」

そんなふうに感じる学習者も多いでしょう。

しかし、この3語は同じものを表しているわけではありません。

結論から言えば、次のように考えると分かりやすくなります。

原因 → 問題が起こる理由
問題 → 現在起きている困った状態
課題 → これから解決・改善するべきこと

この違いが分かると、N2読解で文章の流れをかなり追いやすくなります。

ここでは、それぞれの意味と使い方を具体的に見ていきましょう。

「問題」=困った状態・望ましくない状態

まず、「問題」です。

「問題」にはいくつか意味がありますが、N2の説明文や評論文では、

「現在存在していて、解決する必要がある好ましくない状態」

という意味で使われることがよくあります。

例えば、

この地域では、若者の人口が減少していることが問題になっている。

この文では、

「若者の人口が減っている」

という現在の状況を「問題」と呼んでいます。

ほかにも、

長時間労働は日本社会の大きな問題の一つである。

インターネット上で誤った情報が広がることが問題となっている。

などがあります。

重要なのは、「問題」は基本的に現在存在するマイナスの状態を指すということです。

「問題」を見たら考えること

読解で「問題」が出てきたら、

今、何が困った状態になっているのか?

と考えてみましょう。

文章の中心となるテーマが見つかりやすくなります。

「原因」=なぜその問題が起きたのか

次は「原因」です。

「原因」は、

「ある出来事や状態を引き起こした理由」

を表します。

例えば、

若者の人口が減少している原因の一つは、都市部への人口流出である。

ここでは、

問題:
若者の人口が減少している

原因:
若者が都市部へ移動している

という関係になっています。

つまり、

原因 → 結果

という因果関係があります。

別の例を見てみましょう。

睡眠不足が集中力低下の原因になることがある。

この場合は、

原因:
睡眠不足

結果:
集中力の低下

です。

N2読解では「原因」が直接書かれないこともある

N2では、必ずしも「原因」という言葉が使われるとは限りません。

例えば、

高齢化が進んだため、地域の公共交通を利用する人が減少した。

この「ため」は原因を示しています。

したがって、

原因:
高齢化が進んだ

結果:
公共交通の利用者が減少した

という構造です。

「原因」という単語だけを見るのではなく、

  • ため
  • ので
  • から
  • によって
  • 背景には
  • 理由として

などの表現にも注目すると、文章の論理が読みやすくなります。

「課題」=これから取り組むべきこと

最も間違えやすいのが「課題」です。

「課題」は単なる「悪い状態」ではありません。

「今後、解決したり改善したりする必要があるテーマ」

という意味で使われます。

例えば、

地方では人口減少が問題となっており、若者が働ける場所を増やすことが今後の課題である。

この文章では、

問題:
人口が減少している

課題:
若者が働ける場所を増やす

となっています。

つまり、「問題」は現状を示し、「課題」は今後どうするかを示しています。

「課題」は未来を向いている

「課題」という言葉が出てきたら、

これから何をする必要があるのか?

と考えてください。

これだけでも「問題」とかなり区別しやすくなります。

例えば、

高齢者が安心して利用できる交通手段を整備することが課題だ。

これは、

「交通手段が不足している」

という問題そのものではなく、

「交通手段を整備する」

という今後必要な取り組みを表しています。

「原因・問題・課題」は一つの流れで考える

この3語は、別々に暗記するよりも、一つの流れとして理解すると覚えやすくなります。

例えば、ある町について次のような文章があったとします。

この町では、若者が都市部へ移住する傾向が続いている。その結果、地域の人口減少が進んでいる。今後は、若い世代が地域で働ける環境を整える必要がある。

この文章を整理すると、

原因
若者が都市部へ移住する

問題
地域の人口が減少する

課題
若者が地域で働ける環境を整える

となります。

この、

原因 → 問題 → 課題

という流れは、N2の説明文・評論文で非常によく見られる構造です。

例文で違いを確認しよう

例1:環境問題

自動車の利用が増えたことが、大気汚染の原因の一つと考えられている。

原因:
自動車の利用増加

大気汚染は都市部の深刻な問題となっている。

問題:
大気汚染

公共交通機関の利用を増やすことが今後の課題である。

課題:
公共交通機関の利用促進

ここでも、

原因 → 問題 → 課題

の流れが見えます。

例2:会社

社員同士の情報共有が不足していることが、仕事のミスが増える原因になっている。

原因:
情報共有不足

最近、仕事上のミスが増えていることが問題となっている。

問題:
ミスの増加

部署間の情報共有を改善することが今後の課題だ。

課題:
情報共有の改善

文章の内容が変わっても、基本的な考え方は同じです。

「課題」と「問題」は交換できないことが多い

次の2文を比べてみましょう。

少子化は日本社会の大きな問題である。

これは自然です。

少子化という現在の社会状況を「問題」として捉えています。

では、

少子化は日本社会の大きな課題である。

これは間違いとは言えません。

実際、日本語ではこのような言い方も使われます。

ただし、「課題」と言うことで、

「少子化という状況に対して、社会が今後取り組まなければならない」

という意味合いが強くなります。

つまり、

「問題」は現状そのもの、

「課題」はその現状を解決するという視点を含みやすい、

という違いがあります。

N2読解では、この微妙な視点の違いが重要です。

選択肢で迷ったら「時間の向き」を見る

「問題」と「課題」で迷ったときには、文章がどちらを向いているか考えてみてください。

現在の状態を説明している

→ 問題

人手不足が深刻な問題になっている。

今後必要な行動を説明している

→ 課題

人材を確保することが今後の課題である。

「今どうなっているか」なのか、

「これからどうするか」なのか。

この違いを見るだけでも、判断しやすくなります。

N2読解では「単語」ではなく「関係」を読む

N2になると、単語を一つずつ日本語から母語へ訳すだけでは、正解しにくくなってきます。

重要なのは、

「この文は前の文とどんな関係なのか」

を読むことです。

例えば、

Aという問題がある。これはBが原因だと考えられている。そのため、今後はCすることが課題となる。

という文章があったら、

A:
問題

B:
原因

C:
課題

と整理できます。

文章が長くなっても、この骨組みが見えていれば、内容を見失いにくくなります。

読解問題で使える3つの質問

「課題・問題・原因」が出てきたら、頭の中で次の3つを確認してみてください。

  • 何が起きている? → 問題
  • なぜ起きている? → 原因
  • これからどうする? → 課題

この3つを意識するだけで、長い文章でも情報を整理しやすくなります。

特にN2では、「筆者が最も言いたいこと」を問う問題で、最後の「課題」に当たる部分が重要になることがあります。

文章の前半で問題や原因を説明し、後半で「では、どうすべきか」という筆者の主張を述べる構成が多いからです。

まとめ|「原因 → 問題 → 課題」で文章を読む

最後に整理しましょう。

原因
なぜ起きたのか

問題
今、何が困った状態なのか

課題
これから何を改善・解決する必要があるのか

N2読解で大切なのは、この3語の辞書的な意味を覚えるだけではありません。

文章の中で、

なぜ起きたのか

何が問題なのか

これからどうするのか

という流れを見つけることです。

この論理の流れが見えるようになると、「単語は全部分かるのに、選択肢になると迷う」という状態から少しずつ抜け出せます。

そして、この力を身につけるには、説明を読むだけでなく、実際の問題を繰り返し解きながら判断する練習が欠かせません。

RJT(Rapid Japanese Training)では、JLPT対策問題をテンポよく解きながら、日本語を実際に判断する力を鍛えることができます。

「分かったつもり」で終わらせず、「問題を見た瞬間に判断できる力」に変えていきましょう。

JLPTの問題を解きながら実践力を鍛える|RJT(Rapid Japanese Training)


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